厩橋、吉岡実、スカイツリー

5月3日(金、祝)午後、東京・台東区蔵前にある、笹久保伸、青木大輔、新井卓らのコンサートTono Vol. 3の会場に、開場よりかなり前に到着したので、あたりを散歩した。

大江戸線蔵前駅で降りたのは、実は初めて。線量計とカメラと地図も持参。

墨田川にかかる厩橋を東へ渡ったところにある本所は、やはり少し線量が高い。毎時0.15マイクロSV。予想よりは低いが、このあたりは建物や地面に放射性物質がしみ込んでいるようだ。

1990年に亡くなった詩人、吉岡実の『うまやはし日記』(書肆山田、1990年、限定100部)のタイトルは、厩橋にちなんでいる。この戦後日本自由詩最高の書き手の、文学青年時代19歳から21歳にかけての日記。俳句も挿入されているが、それほどすぐれているわけではない。

  ゆく春やあまき切手の舌ざはり  1939年作

モダニズムの系譜に入る吉岡実は、海外文学の翻訳以外に、『一茶句集』や万葉集などの日本古典文学も、この日記の期間に読んでいる。

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1919年に吉岡実が生まれたのは、本所・業平。休日なので、街路は静か。道路のアスファルトが目立つ。本所を歩いていると、スカイツリーが、建物の間に意外な姿を見せる。しかし、デザインも色もよくない。平成時代の凡庸さを象徴している。安倍晋三の笑顔がこの塔にだぶって見える。いまはモダンが消え、ネット右翼のはびこる時代。

  地面から詩人の記憶鳥たちは失業

  愛の川くすんだ塔は墓ではない  夏石番矢

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