肩衝茶入の逸品「風流」

根津美術館開催の「新・桃山の茶陶」展では、名品がずらりと並べられていたが、私が最も感心したもは、下の写真の肩衝茶入。

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17世紀初めの美濃焼。外側の胴部に描かれた吊るし文が、素朴かつ斬新。20世紀前衛美術にも劣らない。ミロや岡本太郎の作品などより、ずっと迫力と始原性がある。しかも、形姿がとても洗練されている。

しかし、この吊るし文は一体何だろう?

植物のようでもあり、地図のようでもあり、古代文字のようでもある。

安土桃山時代の焼き物の斬新さ、素朴さ、存在感は、縄文土器にもつながりながら、別の展開を示していてすばらしい。

  吊るされているのは文字か私か瓢箪か  夏石番矢

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