密教芸術より俵屋宗達 「京都醍醐寺」展

2018年9月27日(木)午後、東京・六本木のサントリー美術館で開催の、

京都醍醐寺―真言密教の宇宙―

を観にゆく。実は昨年開催されていた「天下を治めた絵師 狩野元信」展を今年開かれていると錯覚して出かけたのが実情。

そのせいか、がっかり。日本の密教芸術は、昨年モンゴルの首都ウランバートルで観たチベット仏教芸術にくらべて、幼く微温的。つまらない。

また、平安期の仏像は、ぼってりと間延びしていて、醜悪。

救いは、俵屋宗達の≪芦鴨図衝立≫。

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飛んでいる鴨の翼がおおらかな薄墨で描かれ、地上の芦もあっさりしながら的確な筆遣いで描かれている。俵屋宗達の虚飾のないのびやかさが、間抜けな密教仏像を多く観たあと、とても印象に残り、この展覧会の図録を買う気になった。

  葦の葉の折れ線揺らす鴨の羽音  夏石番矢

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