2018年9月5日(水)午後、南青山の岡本太郎記念館を初めて訪れる。根津美樹幹へは何度も行ったが、こんな近くにあるとは知らなかった。
岡本太郎の自宅を改造した建物。
展示はそれほどたいしたことない。岡本太郎人形が2体、2階と1階に据えてある。
2階展示
1階展示
面白かったのは、アトリエ。創作現場の生々しさがある。蔵書も2階に置いてあるが、どういう本がわからない。
岡本太郎が気になったのは、3月末に48年ぶりで観た大阪の万博記念公園の「太陽の塔」の印象がとてもよかったからだ。
さまざまな妙雲(2) 太陽の塔
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201804article_5.html
また、縄文文化を考えるには、岡本太郎抜きでは片手落ちになるからだ。岡本太郎の著作もネットで購入した。
縄文土器を最大限に称揚し、雪舟を芸術と認めない岡本太郎の審美眼は正しい。
芸術家モンドリアン、カンディンスキーなど、思想家バタイユのエピゴーネンではなく、彼らと対等に活動していた岡本太郎の作品は、まだはっきり評価されていない。
私自身も、ピカソやミロに比べて見劣りがするとか、縄文土器を超えていないなどと思ってしまう。岡本太郎の原色主義は、意図的な方法。綺麗な心地よい作品を拒否している。
岡本太郎自身は、モダニズムの本流を現地で実体験した芸術家で、日本人としては稀有な例。たいていは、海外芸術の中途半端な模倣者。
岡本の散文を読むと明晰な論理力と批評力がうかがえる。
TVでなどでの、あの目をむき、手を大きく動かす身振り手振りは、演技の部分が大きい。TVの影響力を踏まえ、しかしメディアの下劣さも認識したうえでの演技だった。
縄文土器論とともに沖縄文化論もおもしろい。
岡本太郎論はまだ書けそうもないが、縄文土器論は「吟遊」第80号あて書いておきたい。
彼が目をむく土器が目をむく大きな雲 夏石番矢
この記事へのトラックバック
この記事へのコメント