東京・上野の国立博物館の「特別展 縄文―1万年の美の鼓動」では、大型土器が圧倒的な存在感を放って、数多く展示されていた。
第2会場の出口で展示され、写真撮影OKの3つの土器では、まだ迫力が足りない。もっとすばらしい大型縄文土器がこんなに多く集められた展覧会はめずらしい。
それらを観て、考えたことを列挙してみる。
1
縄文土器の火炎や水煙と言われる繰り返し文様は、目に見えないエネルギーを表現したものである。写実的な描写はあまり意味がない。
縄文土器の最高傑作の一つ、群馬県渋川市出土の焼町土器
2
大型土器は、縄文共同体の祭祀や祭礼の中心的役割を担った。
3
大型土器の前で、縄文人はほぼ平等だった。大部分は女性のシャーマンや長老以外の大人は、ほぼ平等。
これは、古墳時代の埴輪が階級格差を示しているのとは正反対の社会。
4
大型土器を中心として、自然霊や神々と縄文人は交流していた。縄文人は、精神的にレベルが高かった。
5
長い縄文時代は、船による交易が盛んだった。国家も戦争もなかった。
6
縄文文化というより、縄文文明は、メソポタミア、インド、中国の古代文明に比肩するか、それを超えた自然との共生文明で、開放的、明朗、活発な文明だった。
7
北海道を含む東日本が縄文時代栄えた。気温も高かったので、熱帯の動植物が身近にあった。
土器の渦巻き神々の渦巻き人々の渦巻き 夏石番矢
参照
縄文の翡翠
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201808article_24.html
退院後はじめて銀座と上野へ
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201808article_23.html
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