ネパールあて句集序文を書く

ネパールの詩人ラム・クマール・パンデイさんの句集『Flooded Gorge』の原稿が届き、英語による序文を書く。英文の磨き上げを、プロの翻訳家E・Sさんに有料で依頼する。

原稿料が入らず、英語のネイティブ・チェック代が必要となる。

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日本・ネパール修好60周年記念出版。

序文を書いていて、海外での俳句の受け取り方の同じ問題に直面する。エズラ・パウンド以来、英語圏での俳句の単純化と平板化。だから、ちょっとした思いつきの英語俳句が蔓延する。

英語圏以外でも、同様の問題がある。

また、俳句の英語に明確な文法的ミスがある。

俳句は本当に世界化されているのか? 英語がほんとうに世界言語となっているのか?

俳句の抜け殻が、おかしな英語とともに地球上にはびこっているだけではないのか?

それでも、パンデイさんには、次のような魅力的な俳句がある。

Each Friday
A tower falls
To fill up empty ocean

金曜日ごと
塔が倒れ
からの海満たす

この「塔」はなんだろう? わからなくても、読者を引き込む力がある。


参照
ソネット形式の俳句は不可能
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201706article_15.html

この記事へのコメント

  • Fujimi

    少し辛口で、20世紀世界俳句史と芭蕉俳句のポイントを簡潔に書いた英語の序文、著者のパンデーさんに喜んでもらえ、句集のリリース行事参加のため、ネパール滞在3日間アレンジすると招待されたが、今年は行けないので、来年にと返事した。
    2017年06月22日 21:58

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