かつてTVを観ていたころ、日本の考古学者では、故森浩一さんに共感を抱いた。
森浩一
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E6%B5%A9%E4%B8%80
大和朝廷一元主義者ではなかったし、多元的日本古代観の持ち主で、語り口にも包容力がにじんでいた。
また、大分県出身の森家は、熊襲の後裔であることを誇りにしていた。
いずれ著作集を購入するつもりだが、自宅の書棚で眠っていた著書を数冊読んだ。
『倭人伝を読みなおす』(ちくま新書、筑摩書房、2010年)では、
遣塞曹椽史張政等因齎詔書黄幢 拝仮難升米為檄告諭之 卑弥呼以死 大作冢 徑百餘歩 殉葬者奴婢百餘人
の「卑弥呼以死」が自然死ではなく、自殺との考えを披露している。卑弥呼が狗奴国との戦争状態を収拾できない責任を取らされて、老齢の身で自殺に追い込まれたとの説。
記紀に卑弥呼が直接登場しないのは、この2書には隠蔽の仕掛けがあるからだ。
また、人が古くから住んでいない纏向遺跡が邪馬台国ではないとも説かれている。また、倭人は越人に近く、無文字の民ではないとも。
森浩一さんは、惜しいことに、2013年に他界されている。
北風や卑弥呼の白髪に血の飛沫 夏石番矢
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