日本古代史本の欠陥

このところ、日本古代史本をたくさん読んでいる。

卓見もなくはないが、いい加減な論が多い。

官僚出身者の文章には、人間性が欠けている。

日本には、とくに西と南から、長い年月、人と文化が渡来している。その多元性、時代性をまるごととらえる世界観が必要。

各地方の古墳から出土する冠は、古代に分立した国の王のもの。大和朝廷が与えたものではない。

熊野、出雲、韓国のインスピレーションが生んだわが句集『楽浪』(書肆山田、1992年)の命名も、実は日本古代文化成立に関わる。

しかし、これを読み解いてくれる批評家はいないだろう。

  波の花の冠を手によみがえる君  夏石番矢

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