ゴッホとゴーギャン展
を観る。
ゴッホは、パリ在住末期の1887年を端緒とし、南仏在住の1888年から1890年にかけて、人類史を更新する油絵を描く。そこに存在する日本。
1888年3月、アルルで制作の≪グラスに生けた花咲くアーモンドの小枝≫。
2月20日に到着したばかりのアルルは、まだまだ寒かった。3月2日付けの弟テオへの手紙で、この絵ともう一つの絵について、
「ここで、田園ではしっかりと凍り、いつも雪がある(中略)―次に、それにもかかわらずすでに咲いたアーモンドの枝の2点の習作」
と触れている。
この絵には、春、太陽、希望、日本が、アーモンドの花を核として描かれている。黄色と紫の補色もかろやかに使われている。
印象派が、浮世絵から学んだ対角線の活用も、ごくさりげなくなされている。
アーモンドの花は、私自身、南仏とチュニジアで見て、桜の花と間違えた。ゴッホも、アーモンドの花に、桜と日本を発見したはず。
もう一つの絵では、グラスの背後に本をゴッホは配している。こちらの方が、全体に明るく、タッチも荒いが同じアーモンドの枝。
1990年には、次の記事に登場する絵を描いている。
アーモンドと桜
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200701article_30.html
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