岩波文庫版『完訳 千一夜物語 9』に、有名な、
第731夜~774夜 アラジンと魔法のランプの物語
がある。これにはアラビア語原典がない。
アラジンと魔法のランプ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%81%A8%E9%AD%94%E6%B3%95%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97
ヨーロッパでは、18世紀初頭にフランスのアントワーヌ・ガラン(Antoine Galland)によるフランス語訳『アラビアン・ナイト』(ガラン版 1704-1717)によって紹介された。
また、舞台が中国であるのも読んで驚く。しかし、内容に中国的な要素はほとんどない。
何でも要望をかなえる魔法のランプの鬼神(イフリート)にもできないことがあった。
「コーカサスの山の最高頂に住むロク鳥の卵」を取って来いとのアラジンの命令に、鬼神は、自分はこのロク鳥の奴隷だと言って、怒りながら断る。
ロク鳥は、船乗りシンドバード(第290~第315夜、『完訳 千一夜物語 5』)のところですでに登場した。しかし、それはコーカサスではなく、ある島に住んでいた。
すべての欲望が無限大に可能だという『千一夜物語』において、ロク鳥はその行き止まり、歯止めとして、アリババの物語で特徴づけられる。
黄金のアラベスクの端を啄む鳥よ 夏石番矢
参照
『千一夜物語』を読む4 キリスト教徒への敵意
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201605article_16.html
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