井上有一の書 「貧」と「孤」

11月24日(火)午後、銀座の壱番館地下1階、思文閣銀座開催の、

井上有一展

を観る。

「貧」という字が面白い。カタログに印刷されていないので、ネットで似た字を探した。

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ふんぞり返る「貧」の字木枯らし吹き荒れろ 夏石番矢

ちょっと違う字だったかもしれない。「貧」には、ユーモアと居直った存在感があって気に入った。いろいろな「貧」の字を、井上は残している。

これは、ネットで見つけた他の「貧」。いまいち。心にためらいがある「貧」。

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ややうつむき加減で逃げてゆく「貧」。

雪よ降れうつむき逃げゆく「貧」の字へ  夏石番矢

案内はがきにあり、展示してあった「孤」は、心に飛び込んでこない。

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ひとがうずくまった姿にも見えるが、「孤」にはもっと厳しい孤立感があってしかるべきではないか?

黒い咳する大きな「孤」の字は孤独でない  
 
「貧」の字笑い「孤」の字腹這う銀座の地下 夏石番矢

井上有一が69歳で亡くなったという事実も今回知る。存命中かと思っていた。

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