モンゴルへのおみやげ１

モンゴル俳句協会創立大会へもってゆくおみやげの一つ。

招待してくれたウルジン・フレルバータルさんの代表的な詩の和訳（英訳からの夏石による重訳）を色紙に書いた。こういう長い詩を色紙に書いたのは初めて。7枚失敗。8枚目でようやく成功。相手が国を代表する詩人なので、特上の色紙。

どの子にも宇宙がある

ウルジン・フレルバータル（モンゴル）

夏石番矢訳

もろい花びらのような子どものころの夢
われらはやさしい手に抱く
来たるべき年々を祝うため
われらは愛の歌をもたらす。
若々しい夢に宇宙があり、
人類の喜びのよき春
空へと登る炎のように
われらは子どものころの年々を大歓迎する

世界のいたるところに子どもたち
一緒に歌う
子どもたちの夢と望み
年々にかけて生み出され
世界のいたるところで人々に歌わせよう
子どもたちに「はい」と言い「はい」と言う
さまざまな人々の声を鳴らそう
われらの未来を抱こう
この世界の人々が結び付き
われらの子どもたちの夢を見つける
心に心そして手に手、
子どもたちに「はい」と言おう
それぞれの子どもの内にある
あれらの貴重な宝石を守ろう
この心からの愛の歌をわれらは与える
これからの年々への祈りとともに
たった一人の子どもの想像力と夢に
人類の運命があり、
われらは若さの灼熱の年々を歓迎する
すべての喜びの泉。

われらが朝日の光線に振り向くように
希望の翼に乗って飛ぼう
われらの信仰と信頼の歌を歌おう
すべては更新され、
われらが聖なる世界にひざまずくように
われらは子どものころの夢を尊び、
われらは若さの灼熱の年々を歓迎する

すべての喜びの泉。


この詩から、私が思うこと。

せっかく宇宙を内蔵して生まれてきても、それを育てられない人間は、人間ではない。だから、どういう試練があろうとも、その宇宙を育てなければならない。これは死ぬまで。

フレルバータルさんは、ネガティブな面を一切出さず、この詩を書いている。

　　子どもらの歌の渦巻き雪空融かす　　夏石番矢


参照
モンゴル詩人の句集に英語序文を書く
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201502article_27.html

モンゴル俳句協会創立大会
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201502article_11.html

帝国ホテルでモンゴル詩人と
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201411article_17.html

Comments

[花田]

こんにちは!
特上の色紙で7枚失敗、しかも細かい字。
これは苛酷です。
しかし重要な仕事でやるしかないのですね。
「宇宙を育てる」
深い言葉です。
失礼致しました。

[Fujimi]

この詩も歌になっているはずです。

[花田]

遅ればせながらこの色紙の詩が渦を巻いていることに気が付きました。宇宙を暗示しているのですね。

[Fujimi]

四角い色紙にどう書くかを試して、ああなりました。連の変わり目で、空間を置き、字の角度も変えています。これらの結果が渦巻き。

[花田]

この渦巻きは
禅に於ける世界の原理「円相」と同じ。
円環は閉じているようで閉じていない。
閉じていないようで閉じている。
夏石さんは「悟りを得し者」なのですか？
失礼重ねました。

[Fujimi]

実は１字間違えています。不完全な書ですが、これが私の現状。