古事記ノート(23) 序文の「天皇」と「皇帝」

『古事記』の漢文の序文には、かなり巧緻な謎かけがほどこされている。

「天皇」として記されるのは、神武と天武のみ。元明、仁徳は、「皇帝」として、応神は無称号でこの漢文に埋め込まれている。これは単なる文飾や偶然ではないだろう。

古代中国では、「天皇」は北極星を指し、「皇帝」よりはるか上位の存在。

神武と天武は、新王朝樹立者として、「天皇」という称号を、この漢文では与えられている。

  天皇が皇帝指さし彗星の雨  夏石番矢


参照
古事記ノート(22) 葦と鉄と鈴と稲
https://banyaarchives.seesaa.net/article/201301article_23.html

『古事記』ノート(1) 革命者としての天武天皇
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200805article_11.html

この記事へのコメント

  • 獅子鮟鱇

    古事記の天皇(天帝)につき、夏石さんの説の正しいこと、確認しました。
     光宅:684年
     古事記:712年
     天皇という称号、則天武后のつれあい高宗が称していたとのこと。
    2013年06月17日 21:04
  • Fujimi

    ご教示感謝。上記のこと、ゼミでは話しましたが、ブログにはまだアップしていません。とにかく、序文はよく考えて作られた古代中国文ですね。偽文ではないですね。
    2013年06月17日 22:08

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Excerpt: 時差ボケでひたすら眠い。起きているとき、阿曇族についての本を2冊読む。屋根裏部屋整理のとき、3冊見つけた2冊。
Weblog: Ban'ya
Tracked: 2013-09-29 17:23