ルーマニアへ1998年2月ブルターニュの資料を郵送する

ルーマニア俳句協会会長のValentin Nicolitovからメールが届いた。1998年2月25日、フランスのブルターニュ開催の俳句イベントでの資料を送ってほいしとのこと。彼の協会の機関誌で紹介したいとのこと。

講演原稿や朗読した3言語俳句は、フロッピーに保存。これはもはや現在使用中のPCでは読み取れない。

そこで、12年前のイベントのパンフレットのコピー、フランスの日本研究の雑誌"Daruma" No 5 (Philippe Picquier, printemps 1999)掲載の論文 "Le haiku contemporain et ses possibilité"(仏文講演原稿に手を入れたもの)のコピー、日本語、フランス語、ブルトン語3言語の夏石番矢俳句「ブルターニュ巡礼」を掲載した「吟遊」第14号(2002年4月、吟遊社)を郵送することに。

私がブルターニュを詠んだ俳句(日本語は、夏石番矢『地球巡礼』、立風書房、1998年所収)のブルトン語訳から、ブルトン語俳句も一時期とても活気づいた。2005年ブルガリア開催の第3回世界俳句協会大会以降、いささかいやな出来事が起きて、ブルターニュの俳人A・Kとは疎遠になった。

あきらかに夏石番矢の「ブルターニュ巡礼」俳句がヒントになったにもかかわらず、私の名前を出さずに、フランス語とブルトン語で『ブルターニュ巡礼』という本を出版したり、これに私が吟遊俳句賞を与えたり、いろいろなことがあり、縁がなくなった。

彼が米国の阿呆D・G・Lと組んで野心をあらわにしていたとき、国際電話をかけたら、世界俳句協会を再度創立するんだと、興奮していた。これには心底あきれた。

そういうことも、すべて過去となる。

1998年2月25日、2年のフランスでの在外研究を終える直前、私がブルターニュで何を行ったのか、フランスや日本でよりも、ルーマニアでのほうが、より理解が深まるかもしれない。

    星揺れて泉の家にケルト琴  夏石番矢
    (『地球巡礼』、1998年)

あのとき、ブレストの泉の家で、イベントが終わり、すがすがしい感動に包まれながら、寒空に輝くオリオン座を見て生まれた1句。そのとき、12年後の今日のような事態は、予想できなかった。
    
未来とは、予測できるものもあるが、だいたいは予想を超えた変化に揺すぶられる。

この年末年始、新約聖書を読んだが、イエス・キリストの教えが、ユダヤ人よりも、異邦人に伝わっていったことが、他人事ではない気がしていた。それは、イエスの父である唯一神の予想外の出来事だったのだろう。

富める者、驕れる者が、救いがたいのは、イエスが何度も言っている。

それにしても、イエスの生きていた1世紀のイスラエルと、今日の21世紀初頭の日本は結構似ている。

大国ローマ支配下のイスラエル
大国米国の属国の日本

未来志向ではない人々に扇動されるユダヤ人
状況認識を撹乱するだけのマスメディアに左右される日本人

イエス処刑を要求したユダヤ人
小沢一郎などまともな言動を示す人間を追い落とす日本人

まもなく国を失うユダヤ人
まもなく大混乱に陥る日本人(もともと国はあってなきがごとし)

これが、私の見当違いであればいいのだが……

むろん、両国の違いもある。

    読み取れなかったあのオリオン座の裸のまたたき

    星の下でのほほえみ忘れ耳を病む  夏石番矢

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