於是伊耶那岐命拔所御佩之十拳劔斬其子迦具土神之頚
尓著其御刀前之血走就湯津石村
所成神名石拆神
次根拆神
石筒之男神【三神】
火の神カグツチを、イザナキが十拳の剱(トツカノツルギ)で斬り殺したときに、神聖な岩の群れに生まれる神々が、隕石と隕鉄を暗示している。
石拆神、根拆神の二神は、石や樹木の根を裂いて、落下する隕石の威力を表し、石筒之男神は、石=筒(星)の神で、隕石そのものを表す。筒(ツツ)を星ではないとする説もあるようだが、私は筒=星説を支持する。
次に生まれる神々も、私の解釈を補強してくれる。
所成神名甕速日神
次樋速日神
次建御雷之男神亦名建布都神
【布都二字以音下效此】亦名豊布都神
【三神】
これら二つの速日は、力に満ちた太陽よりは、高速度の天体である隕石を暗示していないだろうか。そして、布都(フツ)は、神聖な鉄剣、もしくは鉄剣に宿る神霊を指すだろう。布都御魂は石上神宮に祀られている。
布都御魂
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%83%E9%83%BD%E5%BE%A1%E9%AD%82
おもしろいのは、イザナキが持っている十拳の剱がどうやって作られたか、『古事記』にまったく言及がないこと。こういう不可解さや矛盾が、苦心してまとめあげた『古事記』の特徴でもあるのだが。
こののち、十拳の剱は、イザナキが黄泉から帰還するとき、黄泉の軍勢を追い払うのに使われ、さらには、スサノオが天の安河の誓約(ウケイ)や大蛇退治で活用する。イザナキの遺産として譲り受けたのだろうか。
隕石は天の怒り王の剣として眠る 夏石番矢
参照
4300年前…最古の鉄剣の謎解明 原料は隕石だった!
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080903/trd0809030129000-n1.htm
『古事記』ノート(11) 命の主
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200911article_23.html
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