古代日本と古代朝鮮の関係が深いのは当たり前のはずだが、記紀ではかなりぼかしたり、わけのわからないものになったりしている。日本の神社のうち、古い起源を持つものは、ほとんど古代朝鮮と関係がある、あるいは古代朝鮮に起源を持つと考えていいようだ。
それがあやふやなのは、あやふやにしたい人々が権力を握っていたからだろう。
4月にお会いした、交野市にある星田妙見宮の佐々木久裕宮司さんは、妙見信仰は、大陸や朝鮮に起源があり、朝鮮から渡来し、枚方あたりに上陸した物部氏がもたらしたと語ってくれた。
天之御中主という神名は、実は奇妙だ。古事記の冒頭に、「主」の付く神はこの神以外におらず、出雲神話の大国主を待たねばならない。出雲系の神には、大国主以降、事代主、敷山主、山末之大主などの「主」が付く神が登場する。
これをどう考えるか?
古事記編纂時かそれ以前に誰かが、最初の神は、北極星とした(天皇は、実は北極星を意味する)。その神の名前は、「天之御中主」ではなかったかもしれない。ウラル=アルタイの人々は、北極星を、天の中心、鉄のへそと考えていた。
そして、最初の神の名を確定するときになって、出雲の神から「主」を借用したのではないか?
あるいは、出雲にも北極星信仰があったかもしれない。
星田妙見宮の佐々木宮司は、暦を作るには、太陽、月、星についての知識がないとできない。古代人は、星に関する知識を持っていたが、トップシークレットだったと語ってくれた。
天之御中主は、北極星であるには違いないが、その名は出雲で生まれて秘されていたか、出雲系を装って作られたかもしれない。
日本古代史探索は、骨が折れる。本当は、古代のアジア語数言語ができればいいのだが……
天の鉄のへそを忘れてからの長旅 夏石番矢
参照
『古事記』ノート(9) 天の御柱と八尋殿 を見立てる
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200812article_4.html
『古事記』ノート(8) おのごろ島生成
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200811article_25.html
『古事記』ノート(7) 神代七代3
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200806article_34.html
『古事記ノート』(4) 天之御中主神の正体
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200806article_3.html
『古事記』ノート(2) 天之御中主神は不在?
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200805article_26.html
この記事へのコメント
kika
Fujimi
ミネルバ
さらに考古学的にも重要な地域らしく籔田絃一郎氏や関裕二氏などはこの地の鉄が弥生後期に大和にながれ日本建国が成ったとしています。このように古代日本に重要な地域なのにひた隠しにされていた。これを暗喩的に批評したのが有名ジブリ映画「千と千尋の神隠し」らしいです。
Fujimi