俳句雑誌「陸」2009年7月号が送られてきた。田川飛旅子が1973年に創刊した月刊俳句結社誌。主宰者(発行人)中村和弘によるエッセイ「黒髪」の最後に、
秋の卑弥呼の千の黒髪万の白髪 夏石番矢
が登場。このエッセイの筆者が、インド南部のケラーラ州から、「帰国後、ふと原初的で素朴な黒髪を詠んだ短歌、俳句がほとんど無いことに気付いた。いや、一句あった」として、この俳句を引用。そして、こう続ける。
黒髪に後年付いたと思われる情緒をきっぱりと絶ち、「卑弥呼の千の黒髪」と原初的なところを把握したところが見事である。作者の秀れた透視力である。亡びてしまった古代日本への鎮魂歌。哀しみが漂う。
ありがたい鑑賞文。
この一句は、夏石番矢句集『神々のフーガ』(弘栄堂書店、1990年6月)の「四 反復横跳び」所収。この句集は、刊行直後、前衛歌人の塚本邦雄が、「日本経済新聞」でほめてくれた。
ケラーラ州在住の詩人、Thachom Poyil Rajeevanとは、2003年マケドニア開催の第43回Struga Poetry Eveningsで出会い、その後、英文メールによるインタビューを受けた。 この国際詩祭ではじめて「空飛ぶ法王」俳句を朗読した。帰路の空港で、清水国治さんによる「空飛ぶ法王」俳画のプリントアウト版を、Thachomにプレゼントした。
参照
夏石番矢句集「神々のフーガ」を読む 羽田野令
http://www.geocities.jp/ginyu_haiku/criticism.htm
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この記事へのコメント
ダイハード
(・・・・でも先生、わたしがコメント書くブログはこことfumiさんのだけですぜ。男梅雨くやし涙の多かりき ダイハード)
Fujimi