「吟遊俳句ギャラリー42」から

「吟遊」第42号の最後の仕事、「吟遊俳句ギャラリー42」をきのう終えた。かつては、箸にも棒にもかからない俳句の添削に手こずり、セルビアからの意味不明の英訳俳句に骨を折った。

分厚いセルビア語辞書も手に入れた。

このページは、世界の何かが集約している場所。今回の秀作をご紹介したい。

Julija Lidovska (Latvia)

Ar zeltainumu      With yellowness they     黄色で彼ら
Silda rokas un smaržo Warm the hands and smell 手をあたため幼年期の甘い
Saldi kā bērnība     Sweetly like childhood    匂いがする
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新井 啓子(日本、静岡) 

たらちねの肩の骨鳴る寒三日月

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David McMurray (Canada & Japan)

Evening sun            夕日
questions unanswered    答えられない疑問
enters the sea          海に入る

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Bogoljub T. Mihajlović (Serbia)

Jutarnje sunce―    Morning sun             朝日
vrh Stare Planine    the crest of old mountain      古い山のいただき
zaludeo nebo      infatuated the sky             空を狂わせる

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海道 芙美子(日本、北海道)
                             
おたまじゃくしのしゃっくりのたび手足かな

メンデルのエンドウマメに縊られる

かもめとともに初潮は来たり海の朝

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Naë(日本、滋賀県)

海眠り黄緑のオーロラ何祈る

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Paul Pfleuger, Jr. (Taiwan & USA)

With the badlands humming that song of decomposition
荒れ地と一緒にあの腐敗の歌をハミング


今回秀作の多い海道さんを、次号第43号から同人に推挙することに。


参照
吟遊
http://www.geocities.jp/ginyu_haiku/

インド2詩人の俳句を和訳する
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200903article_11.html

「吟遊」第42号の日英版「ハイブリッド天国」20句を送付
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200902article_31.html

この記事へのコメント

  • 芙美子

    夏石先生ありがとうございます。ご期待に添えるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。
    2009年03月26日 22:08
  • Fujimi

    俳句も散文もどちらも頑張ってください。
    2009年03月26日 23:23

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