「俳壇」2009年3月号(本阿弥書店)が発売され、「平成俳人クロニクル⑬夏石番矢」掲載。同誌の目次抜粋を下に。
4ページながら、石倉秀樹さんの評論の切れ味がとてもいい。漢詩には、何百という定型があり、、5音、7音だけが、定型と思い込んでいる、日本の歌人や俳人の狭さ、愚かさを、小気味よく批判。
5音、7音をすべて否定するのではなく、これらも含む独自のリズムを、作者が追い求めるのが、「詩」としての俳句。これを理解できないのは、金子兜太、仁平勝、その他、もろもろ。認知症状態。
定型の扉を倒せば蜜の国 夏石番矢
これは、5・7・5音になった。
参照
「俳壇」3月号の原稿送付
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200901article_8.html
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獅子鮟鱇
石倉です。私が575だけを俳句の正調とすることがまったくの迷妄であることに気が付いたのは、夏石さんの俳句のおかげですし、吟遊、世界俳句協会のおかげです。
575正調論の誤りは、575を正調する多くの俳人が、よほどのシロウトでない限り575の俳句をきちんと作らないことでも明らかです。575が正調であるなら、3句切れが正調でなければならないが、そんな生硬な俳句は、よほどの初心者でなければ、作りません。しかし、一見正調であるようにみえて、その実5・12に句作りをするものがいかにも多いし、また、12・5や7・10、これまたとても多い。そして、6・11などもある。
5・12、12・5、7・10、6・11などを、どうして同じ韻律とするのか。そこで、575正調論は、その実、17字を正調とする韻律論だとせざるを得ません。
(続きます)
獅子鮟鱇
俳壇では、紙幅に限りがありましたので詳細は削除しましたが、中国古典定型詩(詞曲)における1音から9音までの句作りをここに紹介しておきます。
天 蔡伸『十六字令』第一句
綺美 白居易『一七令』第二句
春欲尽 欧陽炯『三字令』前片第一句
殘月半籬 周密『四字令』前片第一句
水冷渓魚貴 張可久『金字経』第一句
枯藤老樹昏鴉 馬致遠『天浄沙』第一句
萋萋芳草憶王孫 李重元『憶王孫』第一句
対瀟瀟暮雨洒江天 柳永『八声甘州』前片第一句
寂寞梧桐深院鎖清秋 李煜『上西楼』前片第三句
なお、上記は、作例、作例の作者名、『』内に定型詩形の名称、その何句目かの順にしてあります。