11月9日(金)午前、大学に出講する前に、松涛美術館の、
Great Ukiyo-e Masters
春信、歌麿、北斎、広重
ミネアポリス美術館秘蔵コレクションより
を見にゆく。展示は前期と後期で入れ替え。前期の展示はすでに見た。
今回の後期展示品のなかでは、葛飾北斎の『富嶽三十六景』の、「山下白雨」と「神奈川沖浪裏」が、名作と言われるだけあって、やはり印象が強い。
たとえば、「山下白雨」の右下の、雷光部分のまわりの闇の深さが、独特で、とてもいい。赤と藍をどのように重ねたのだろうか? 学芸員に尋ねても、明確な答えは返ってこなかった。
何かの力が、出現しそうでまだ隠れている、そういう不穏な深みを持った闇。雷神が闇にまぎれているのだろうか?
「神奈川沖浪裏」には、まったく別のレベルの印象を受けた。
他の浮世絵は、和紙に刷られて、つまり和紙を背景にして、色の調和がとれているが、この「神奈川沖浪裏」は違う。和紙を背景にしなくても、そのダイナミックさは減少しない。むしろ増加するかもしれない。
北斎のこの絵の力に、改めて驚いた。
雷鳴や和紙から抜け出す北斎翁 夏石番矢
参照
北斎のデザイン力
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200701article_8.html
Great Ukiyo-e Masters
https://banyaarchives.seesaa.net/article/200710article_28.html
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