で、「軸」創刊四十周年記念俳句大会が開催された。
「軸」主宰は、世界俳句協会ホームページ・ディレクター、「吟遊」同人の、秋尾敏さん。父親の河合凱夫さんの跡を継いだ二代目主宰。
http://www.worldhaiku.net/poetry/jp/b.akio.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~cf9b-ako/index.html
鎌倉佐弓の埼玉大学教育学部時代の先輩でもある。
盛大な大会だった。会の開始直前、近辺に大雨と落雷があり、宇多喜代子さんをはじめとして、到着が遅れた参加者が何人かいたので、長めにスピーチすることになった。
私が特選にとった俳句は、次の句。
野は霞む戻って来ない縄電車 飯島 好子
とくに、五十歳を超えて、もう戻らない過去を振り返ることの多い私の心に、深く浸透してきた一句である。この句の「霞む」と「戻って来ない」の間の切れは、なかなか絶妙。また余韻も深甚な一句である。
切れ切れと言ってるくせに、切れを知らない長谷川櫂はこの句を勉強すべきだろうが、彼には一生体得できないだろう。この男の切れ論も、夏石のパクリ。
飯島好子さんには、特選の賞品として、
未来より滝を吹き割る風来たる 夏石番矢
を揮毫した色紙を差し上げた。
この色紙には、ちゃんと裏書きもしてある。
特選句に触発された私の一句で締めくくろう。少し恐ろしい内容になっている。
縄電車縄だけ戻り来る草の道 夏石番矢
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軸古参