「百万本のバラ」は、加藤登紀子のヒット曲。
この歌のメロディーが流れるサイト
http://www.fk.urban.ne.jp/home/kazuaki3/utagoe54.htmこの歌の来歴を書いたサイト
http://byeryoza.com/topic/log1/rosa.htmこれは、もともとソ連の歌ではなく、ラトヴィアの歌だった。
そして、そのラトヴィア語の原詩の作者と、私は出会っていた。
このことを、ラトヴィアからの郵便物で、きのう知った。
2003年9月、マケドニアで開催のストゥルーガ詩歌の夕べ(Struga Poetry Evenings)
http://www.svp.org.mk/uk_03_part.htmで、さまざまな国から来た詩人たちと出会った。そのなかでも、自由時間を一緒に過ごした詩人は、なつかしい。とりわけ、レオンス・ブリエディス(Leons Briedis)は、忘れがたい。
http://www.svp.org.mk/spe2003/ucesnici/leons-briedis.pdf左手前の黒服を着ているのが、レオンス・ブリエディス 右隣が夏石番矢ストゥルーガからの帰路、スコピエのユース・ホステルで1泊したさい、そこのレストランで私のズボンに赤ワインを間違ってこぼして台無しにしたのが、このブリエディス。
赤ワインをズボンに注いだ晩夏と詩人 夏石番矢彼は、旧ソ連時代に投獄されたラトヴィア独立の闘士。首都リガに住んでいる。

また、彼は私に、自分はノーベル文学賞をもらえる、と明言した男。1946年生まれのブリエディスは、ラトヴィアを代表する詩人で、劇作家、翻訳家としても活躍している。離婚歴があることも、彼との会話で聞いている。
その後、彼とは音信不通だったが、去年の12月24日、突然、君の「空飛ぶ法王」を、日本語と英語で送ってくれ、ラトヴィア語訳するからと、メールしてきた。そこで、「空飛ぶ法王」シリーズの俳句60句の日本語原作と英訳を、メールで送った。
春に刊行されるラトヴィアの雑誌に、「空飛ぶ法王」の翻訳は掲載予定。
2003年9月のスコピエで、ストゥルーガ詩歌の夕べの最終朗読が行われ、私の「空飛ぶ法王」朗読は、聴衆に大きな笑いと反響を呼んだ。そのことをブリエディスは覚えていたのだろう。
このレオンス・ブリエディスが、「百万本のバラ」の原詩、「マーラが与えた人生」の作者だった。作曲者のライモンズ・パウルスは、ラトヴィア大統領に選挙で選出されたにもかかわらず、辞退した音楽家。この原詩の和訳全部を、下に引用しておこう。ラトヴィアの苦難が暗示されている。
http://byeryoza.com/topic/log2006/mara.htm「マーラが与えた人生」
作詞 レオンス・ブリエディス
和訳 黒沢 歩
子どものころ泣かされると
母に寄り添って なぐさめてもらった
そんなとき母は笑みを浮かべてささやいた
「マーラは娘に生を与えたけど 幸せはあげ忘れた」
時が経って、もう母はいない
今は一人で生きなくてはならない
母を思いだして寂しさに駆られると
同じ事を一人つぶやく私がいる
「マーラは娘に生を与えたけど 幸せはあげ忘れた」
そんなことすっかり忘れていたけど
ある日突然驚いた
今度は私の娘が
笑みを浮かべて口ずさんでいる
「マーラは娘に生を与えたけど 幸せはあげ忘れた」
「マーラ」は、ラトヴィアの生命と母性の女神で、よくあるラトヴィア女性のファーストネーム。
このラトヴィア語のオリジナル曲を録音したCDを、北海道の東川ラトヴィア音楽交流協会が、2000円(税・送料込み)で販売している。作曲者ライモンズ・パウルス自身のピアノ演奏。
早速、私も注文してみよう。
東川ラトヴィア音楽交流協会
郵便振替口座 02760-2-44573
〒071-1492 北海道上川郡東川町東町1-16-1
電話 0166-82-2111 ファックス 0166-82-3644
上記へ郵便為替2000円を郵送して、「マーラが与えた人生」CDを注文すればよい。
追記レオンス・ブリエディスという表記が、日本語での正しい表記。本人に確認して訂正した。
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「マーラが与えた人生」試聴
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ラトヴィア語版「空飛ぶ法王」60句
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「五十人の空飛ぶ法王」一挙掲載!
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Excerpt: 第4回世界俳句協会大会 (WHAC4) の後援を、さらにいくつかの大使館に申請した。電話をかけて通じた、リトアニア大使館、ラトビア大使館、インド大使館には、書類を送付。エストニア大使館は電話に出ない。..
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Excerpt: 「吟遊」第37号(吟遊社、2008年1月20日刊)のために、ラトヴィアのレオンス・ブリエディス父子の俳句を和訳した。英訳だけ送られてきたので、いくぶん英語を簡略化して和訳した。
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この記事へのコメント
風花
加藤登紀子さんが歌われる「百万本のバラ」の和訳が素敵!
Fujimi
小田陽子です
Fujimi
さっそく聞いてみます。
Fujimi
レオンスが第4回世界俳句協会大会(9月14日~16日、東京)のため、来日できたさいには、歌を披露していただけると、盛り上がります。
Fujimi
小田陽子
アイヤ・ククレのオリジナルを踏襲して最後に少女の声も入れました。
すぐに反映してくださり、大変有難う御座いました。
Fujimi
私こと、夏石番矢は、バルト三国それぞれの詩人と、いつか友人になっていました。リトアニアのコルネリウス・プラテリスも、国独立を担った詩人。元大臣で、とてもいい人柄。彼は第4回世界俳句協会大会に来ます。明治大学で講演もします。レオンスも来日できればいいですね。
Fujimi
空を飛ぶカバ
突如、おじゃまいたします。このサイトの記事をコピーし自分のブログにペーストしてしまった犯人です。メールをさしあげたかったのですが、方法がわからず、ここへコメントさせていただきます。百万本バラの原詩は何かという謎にとりつかれ、20年間、加藤登紀子氏の歌詞は不思議に思っていたので、このサイトに出会えたのは、本当に喜びでした。やっと原詩に出会えました。告白いたしますと、恋愛詩でなかったことは、少し残念でした。が、深い歴史的な意味をこめていたとは、感無量であります。原詩の訳を載せてくださったのには心から感謝いたします。本題に入りますが、この記事をコピペしてしまったのは、私の100%ミスでした。トップの画面を見なかったためです。「コピー厳禁」ときちんと書かれてあるのを昨日確認いたしました。心からおわび申し上げます。また、夏石さまの別のブログを拝見し大変お疲れであることもよく分かりました。俳句は、私自身は詠めませんが、周りにたくさん愛好者がおります。みなさん喜んで詠んでおられます。ここで、恥さらしですが、がんばりまして初句を。「寒月や 見あげるごとに 我かえる」
Fujimi