句会や俳句結社の不毛

俳句雑誌「吟遊」は、句会を行なわない。
年一回の同人総会で、出席した同人の句を、徹底的に合評する。
また、同人が出版した句集の書評掲載時に、英訳などの翻訳がある場合は、それを掲載する。
これで十分だ。

約100名の海外の詩人に「吟遊」を寄贈しているので、翻訳があり、レベルの高い作品だと、必ずいい反応が返ってくる。

    未来より滝を吹き割る風来たる 夏石番矢

この俳句は、かつて私が所属していた「未定」の句会(正しくは句会「亜の会」)で、二点しか点が入らず、合評もされなかった。
いまは、何社かの高校の教科書に掲載されている。
また、私の最初の英訳句集のタイトルA Future Waterfall (Red Moon Press, USA) は、この句がもとになっている。

句会の批評などは、あてになるものではない。

ほとんどの俳句愛好家は、無駄な時間を過ごしているし、どうでもいい評や、根拠のない思い込みにしばられている。

また、俳句結社というものも、考えてみれば、ひまつぶしだけをさせるしくみになっている。

これだけ、たくさんの俳句結社があり、毎月雑誌を出し、そこに膨大な数の句が掲載され、また毎週のように句会があり、また最近ではサイトやブログでの句会も増え、それらにまた無数の句が出句されるが、いったい何句が、本当の読者を獲得し、歴史に残る俳句になるのだろか?

99.9999パーセントの俳句愛好家、99.999999パーセントの俳句は、消えてゆく塵である。

また現在、俳句総合誌や新聞俳壇は、もっと意味のない、資源や時間の浪費をしている。

これだけ、日本国内で俳句情報があふれていても、海外にはほとんど伝わってゆかない。
このおそろしく不毛なからくりに、どうして気付かないのだろうか?

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