金子兜太最後の句集『日常』評
金子兜太生前最後の句集は、『日常』(2009年、ふらんす堂)。作者の没後、古本で入手し、読んでみて感想を書いておきたい。
総評として、不完全燃焼というより推敲不足の作を集めた句集。1970年代からの長い句作上の停滞がこの句集でも顕著。ひらめきがない。
一句として完成せずに、中途半端に季語が添えられている句が多い。
なかでは、次のような句がまずまずの出来。
金柑を狐の親…
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